ヤグラゴケ


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私の場合、
地衣類の同定は常に(たぶん)が付きまといます。

これも(たぶん)ヤグラゴケ。

トゲシバリもたくさん見えてます。
こっちは、(たぶん)は不要のはず。

先日のコアカミゴケは太陽の塔みたいだったけど、
ヤグラゴケはシャンパンタワーみたい。

見つけられて嬉しかったです。


以下は、すっごい大雑把な、
私の地衣類のとらえ方であります。


昔むかし、ウン億年前、
全ての生物は海の中にいた。

生き物が海から陸地へ本格的に上がるためには、
まず植物が上陸する必要があった。
私たちのような動物は生産ができないのだから。

しかし、植物が海から上がるには、
乾燥対策など、様々な問題があった。

そこで最初にとられた一つの方法が、
菌類に守ってもらうというもの。
それが地衣類。

次の方法は、
植物が自分自身を守るというもの。
根を作り、細胞壁を作り、
いろんな方法で問題に自力で対処し、
コケ、シダときて今の植物が存在する。
まあ菌根菌と助け合ってる植物も多いですけど。

結果、地球全体で見ると、
自分は自分で守るという方法の方が繁栄してはいるが、
菌類に守ってもらうやり方が完全に負けたわけではない。

厳しい環境下では地衣類の方が有利な場合が多い。

日当たりのよい古い石垣などは、
今でも地衣類の独壇場である。


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さて、私がよく歩く山に、
アカマツーハナゴケ群落」というタイプの植生がある。

いろんな地衣類が楽しめる場所だ。

もちろん、アカマツやらススキやら、
普通の植物も生えてはいるのだが、
地衣類が多いってことは厳しい環境なのだ。

そんな場所を、太古の地球を想像しながら歩く。

昔、地衣類が地上の主である時代があったらしい。

その地衣類たちによって作り出された栄養は、
次の陸上進出の植物たちに利用され、
繁栄の礎となっていく。

また恐らく河川などを通じて流れ、
海洋生物の繁栄にも繋がっていった。

その進化の先に、私たち人間がいる。

大げさではあるが、
感謝を込めて地衣類を眺める。
そんな楽しみもあって良い。



追記:ヤグラゴケのサイズについて。
コメント頂いたので、写真を追加します。

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この竹定規は、下に5ミリのメモリなし部分があります。
また、トゲシバリが邪魔で、
定規をヤグラゴケの根元までは差し込めてません。
だからまあ、だいたいではあるけど、
高さ1~1.5センチってとこですね。