坂の名前



女の子たちに触発されたわけではないが、
私は坂に勝手に名前を付ける。


例えば、近所の行者山で写真を撮る。

それを整理する場合、
「行者山で撮影」で良いのだけど、
ちょっと範囲が広すぎる。

だから、自分だけに分かる地名が必要で、
マムシ谷」とか勝手に付けて記録しておくのである。
当然、この名前は、かつてマムシを見たからです。


町中で、道端の雑草を写すことも多い。

例えば「宝塚市武庫山」で撮影とするのだが、
やはりこれも範囲が広い。

でも、「何丁目何番地」まで調べるのは大変。

そこで勝手に、「ポスト坂」とかにしておく。
もちろんこれは、郵便ポストがあるからである。

「ポスト坂」なら悪い命名ではないですよね。

しかし私は普通、

「ポスト坂」の途中で左折し、
「怪我猫道」(数年前に大けがをした野良猫を見た)を進み、
メジロ坂」(鳥のことです)をちょっと上り、
「ボロ桜道」(もう伐った方が良いソメイヨシノがある)を進み、
「満腹へばり坂」(食べ過ぎの影響で、この坂でへばった)から、
「ヤモリ瀕死坂」(ヤモリがヒヨドリに突かれてた)へ・・・

なんて感じで住宅街を歩くのである。

近隣住民や不動産屋に知られたら、
苦情が来そう。

この先には、
かつてアダルトDVDが捨てられてた道があるが、
「アダルト道」はさすがに気が引けるし、
フキノトウ道」としています。

でもね、植物の観察地点を記録するための命名だし、
あまり植物名は付けたくないんです。

他にも「腹痛坂」「膝痛坂」など、
いやな記憶の方が残りやすいから、
勝手地名もそんなのばかりだ。

ただ、「腹痛坂」は私の場合、ちょっと多すぎるという難もある。
「膝痛坂」は二度と行きたくないし、実際、行ってない。


真に嫌な名前は付けない。

ラジオを聴きながら歩くことがよくあるので、
胸の悪くなるニュースが耳に飛び込んできたりする。

でも、「児童虐待死道」とかは、付けられない。

正直なところ、
その名前にした方が場所と記憶が合致するんだけど。


本当は、馬の名前を付けたいんだけどなあ。

競馬中継を聴いているのがほとんどなんだし。

「大的中坂」とか無いのは何故だろう?

とっても不思議なことに、
快心の馬券を当てた時、
どこにいたのかという記憶が残らない。

嬉しさのあまり、飛んでしまうらしい。

滅多にないからな。。