こんな奴等に負けてたまるか(「草競馬流浪記」を読む8・川崎)

イメージ 1

ヤクザ者だらけで、シビアーな雰囲気の川崎競馬場


  旭川や水沢を遊園地とするならば、
  ここは明らかに鉄火場である。

  こんなふうで事件が起きませんかという僕の問いに、
  係りの人は、
  「最近は大きなのはありませんね」
  と答えたが、僕は、逆に、
  小さな不祥事はチョイチョイあると受け取った。


実際、釣銭のことで従業員女性と激しく言い合っている客や、
客同士が血まみれの殴り合いをしているのが見られたとか。

同行したスバル君は、「こんな奴等に負けてたまるか」と言った。

私もこれはよく分かる。
場外馬券売り場や、競馬場に行って、
周りで馬券を買っているのは同類であるのと同時に、敵だ。

ヤーさんだらけの競馬場に行って、おじ気づくなんて、バカバカしい。
連中より自分の方が上手に馬券買いが出来るはず、
「負けてたまるか」と闘志が湧いてくるのが正しいばくち打ち。

ちなみに、このすぐ後、川崎競馬を舞台の一つにして、
山口瞳や「家族」というかなり高く評価されている小説を書いた。
若いころに出入りしていた鉄火場を強く思い出したらしい。


佐々木竹見が、日本一のジョッキーと言われるだけあって、
正確にソツなく乗っていることも強調されている。