オードリー・ヘボンとカメについて

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英語のお勉強でございます。

◎「オードリー・ヘップバーン」の日本での人気は、
世界的には異様なのだとか。
以前、FMで、イギリス出身のDJさんが、
「キャサリン」の方が上なのにとボヤいてました。

ところで、幕末から明治にかけて、
ヘボン先生」という人物がいました。


  ヘボン(James Curtis Hepburn)
  
  アメリカの宣教師。日本名、平文。
  安政六年来日し、横浜に施療所を開く。
  日本最初の本格的和英辞書「和英語林集成」を作製、
  その際使用したローマ字はヘボン式として普及。
  (1815~1911)

  国語大辞典(新装版)小学館 1988


そう、実はこの人も「ヘップバーン」で、同姓なんです。
明治と昭和のカタカナ表記の違いなんですねえ。

だから、明治だったら、
彼女も「オードリー・ヘボン」、もしくは「大鳥平文」。
これでは人気も出なかったのでは?
ヘボン・カット」も、どないです?

発音機能で確かめると、
「ヘップバーン」でなく、「ヘッボン」と聞こえます。
明治英語の方が、発音に忠実だったらしい。



◎「カメ」と辞書を引かれた事はおありでしょうか?
当然、「亀」と「瓶」が出てきますが、もう一つあります。


  カメ

  (明治初年、西洋人が犬を呼ぶときの
  「come here」を聞いて「カメヤ」とし、
  その「ヤ」を呼びかけの助詞と解したところから)
  西洋犬。洋犬。カメヤ。

  出典:同上


そうなんですよねえ。
"Come here"も、「カムヒヤ」より「カメヤ」の方が発音は近い。
明治人の英語力の逞しさを感じます。

ただ、当時の耳からの英語を、
目から入るようにして堕落させてしまったのが、
ヘボン式のローマ字であるのかも知れません。
因縁ですね。

今でも、洋犬を「カメ」と呼ぶ人はいるんでしょうか?
出来たら、復活させたいな。



※「ヘボン」は司馬遼太郎氏、
「カメ」は開高健氏の本からの受け売りです。