原子力の未来を思う


長くやっている私のこのブログですが、
書きっぱなしで内容は自身でも忘れているのが多いです。
過去の記事を掘り起こして書き直す事もあまりしていません。

でも、この記事は、改めて気になっています。

主旨の部分を色字で再録します。


日本の原子力の最大の問題は、人材不足だと思う。

考えてもらいたい。

優秀で、目がキラキラ輝いている理工系志望の高校生たちがいる。
彼・彼女らに、どの分野に進みたいか質問をしてみよう。
環境技術とか、自動車とか、IT関連とか、
いろんな答えが返ってくると思うのだが、
原子力」と答える人はいるだろうか?

かなり少ないのではないだろうか。

原子力とは、大雑把に言うと、
大学進学や、その後の進路決定において、
第一・第二志望が叶わず、仕方なく進む分野とは言い過ぎだろうか。

グングン成長し、評判の良い分野は、
優秀でやる気のある人材が集まり、相乗効果でさらに伸びる。

逆に、評判の芳しくない分野は、
希望が叶わずガッカリして目の輝きは失せ、
職の安定を頼りに来る人が多くなり、
沈滞ムードが蔓延・定着していくことになる。

原発の場合、これがもう数十年も続いている。
業界体質の根源はここにあるでは。

各電力会社は、CMでイメージアップを図ってきたけど、
今回の件で、広告料全てをドブに捨てたのと同じだ。

例えば、貴方の子供さんが、原子力の道に進むと言い出したら、
反対したくなりませんか?

例えば、貴方の子供さんが、原子力の技術者と結婚すると言い出したら、
反対したくなりませんか?

日本の原子力とは、そんな世界なのである。


4年前に、こんな事を書いていたんです。

さて今回の福島の事故を受けて、
上記の傾向はさらに強まったのではなかろうか。
例えば大学の原子力関係のゼミはどうなっているのでしょう?

また、電力会社に就職し、原発部門に廻される際の、
親の反対の度合いはどうだろう?
下手すれば親戚には隠したりしないかな?

いや、逆に根性の座った若い人が増えたりするのだろうか?

私はシンプルな人材主義者です。
原子力推進論者がどう頑張ろうとも、
若い人材が集まらないのであれば衰退するしかないと思う。
つまり脱原発というより、衰原発になるんじゃないだろうか。
放射性廃棄物が大量にある現状では、それはそれで大問題なのだが。