悪魔のささやき?
◎短歌もどき「もし明日で 僕の人生 終わるなら
ベーカー街を ストリートビュー」
振りかえって見るに、
有名観光地や名所旧跡に行って感動した記憶はほとんどない。
だから、あまり観光好きではない。
私にとって、旅のキーワードは歌になると思う。
大学生の頃、高知に行った。
バスではりまや橋を通り過ぎる際、がっかり名所ではあったが、
「♪土佐の高知の はりまや橋で~」
と頭の中で歌ってみた。
今となっては高知市の記憶はこれしか残っていない。
笑わないでくれ! 東京人よ!!
あたしゃ、たまに東京へ行って神田川を見ると、
自然に歌詞が頭の中に浮かんでしまうんだ。
恥ずかしいけど、どうしようもない。
有楽町を通っても同じである。
あの曲、「♪有楽町で逢いましょう」の部分しか憶えてないが、
そこの部分だけ頭に浮かんできてしまう。
逆に、大阪で道頓堀に行っても、法善寺横丁に行っても、
「道頓堀人情」や「月の」は浮かばない。
もちろん宝塚の歌劇場を見て「♪スミレの花~」も浮かばない。
さすがに京都の大原に行くと出ちゃうけど。
サイアクだったのは北海道の宗谷岬。
土産物屋では大音量で「♪流氷とけて」と流れていた。
違うんだ! あたしゃこっそり頭の中で歌いたい!!
押し付けるのは無粋だよ。
逃げるように帰ったのをよく憶えている。
ところで、何度も書いているように私は洋楽好き。
あまり詳しくない日本の歌でも上記のようなのだから、
大好きな洋楽の曲の舞台に行ったら、どうなっちまうんだろう?
"Penny Lane"を歩いて頭の中であの曲を歌ったら、
あたしゃ失禁しちまうんじゃないだろうか?
今日は金曜日。とても冷え込んできている。
この曲が思い浮かぶ。
キンクスの名曲"Waterloo Sunset"
毎日、部屋の窓から外を見ている
とてもとても寒い、夕方の時間
ウォータールーの夕陽が素敵だ
毎週、金曜日の晩に、
ウォータールー駅でテリーはジュリーと会う
でも僕は面倒くさがりだし、出歩く気はしないし
夜は家にいるんだ
寒い夕暮れ時分に地下鉄ウォータールー駅を出て、
河で夕陽を見ることが出来たら・・・
これも我が人生の夢の一つであります。
正直、とても便利なので時々使わせてもらっている。
そんな時、悪魔がささやくのである。
「アビーロードを見てみろよ」って。
違う! 違うぞ!! 悪魔くん。それは違う。
俺は行きたいんだ。行って口ずさみたい。
行った後ならともかく、行く前に疑似体験はしたくない。
けれど、けれど、
もし悪魔が「あんたは明日死ぬ運命やで、もうどうせ行かれへんのやで」
とささやいたら、私は禁断の行為をしてしまうのだろうか?