有難く江戸の苦を読む大晦日

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川柳「有難く 江戸の苦を読む 大晦日





写真は、年末になると買う餅三種。
順に、桜えび、黒豆、よもぎ。どれも610エン。

美味しいですよと書きたいところですが、
ひと様の家に持って行くだけで、自分では食べたことが無い。
まあ、味オンチなので、きっと食べても分からないはず。

実は昨年も、当ブログの大晦日はこのお餅の写真でした。
繰り返しになっちゃいますが、お許しを。




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さて、新年を前に、温故知新といきましょう。

昔は、今より大晦日の意味が大きかったとか。
借金の返済期日であり、つけ買いの支払日でもあったため、
悲喜こもごものドラマがあったみたいです。

そんな川柳をご紹介。まずは落語百選から。

  ◎「大晦日 箱提灯は 怖くなし」 

    ※箱提灯は武士。借金取りは弓張提灯。

  ◎「押入れで 息をこらして 大晦日

  ◎「大晦日 どう考えても 大晦日

  ◎「大晦日 いまは臍繰り 当てにする」

  ◎「大晦日 ますます恐い 顔になり」

  ◎「大晦日 猫はとうとう 蹴飛ばされ」

  ◎「大晦日 もうこれまでと 首くくり」

  ◎「元日や 今年もあるぞ 大晦日


まだまだあります。柳多留などから。

  ◎「大三十日(おおみそか) ここを仕切って こう攻めて」

    ※仮名手本忠臣蔵のパロディ。取立て側と、言い逃れ側の戦い。

  ◎「大三十日 肝にこたえる 頼みましょ」

    ※「頼みましょ」と表から借金取りの声が。

  ◎「留守かなと みくびって来る 大三十日」

  ◎「大三十日 女房が言ふと だまりおれ」

    ※「どーすんだよ、お前さん!」「黙りおれっ!!」

  ◎「この仕儀で ござると炬燵 ものを言ひ」

    ※炬燵の中から、借金取りに居直って。

  ◎「大晦日 首でも取って 来る気なり」

  ◎「約束の 首とりに行く 大三十日」

  ◎「大三十日 舌を抜かるる 覚悟なり」

    ※嘘をつくから、死んだら閻魔大王に。

  ◎「借りのある 家へ提灯 紋尽し」 

    ※さまざまな提灯が列を。

  ◎「大三十日 世間へ義理で 碁を休み」

  ◎「掛取と 言い合ながら 毛をむしり」

    ※借金取りと口論しながら、正月料理の鴨の準備。

  ◎「色文だ 覗くなという 大晦日

    ※色文の体裁をした、遊女からの請求やおねだりが来る。

  ◎「大晦日 鏡見ていて 叱られる」

    ※商家の娘さんでしょう。


註:毎度のことですが、漢字や仮名の使い方には、
園橋が勝手に変えている部分があります。


私が古川柳や古典落語が好きなのは、
苦しい状況も、いや苦しい状況こそ、
笑いに転じさせることが出来るという精神があるからです。


皆様も、良いお年を。