舌だけでなく、手も味オンチであるという事

南アジアから、東南アジアにかけて、
手で食事をする習慣があることは、よく知られています。

ガイドブックや、紀行本には、
「手で食べると、美味しさが違う!」などと、
よく書かれていますよね。

これ、現地の方も同じ事を仰られます。
スプーンとフォークを使っていると、
「手で食べた方が美味しいのに、もったいない」と、
言われているように思えます。



そんな文化圏に滞在させてもらったことのある私も、
向こうの人に「試してみろ」と言われ、やってみました。

で、自分の舌の鈍感さは分かっていたけれど、
手や指先も味オンチであることを、その時初めて知りました。
手で食べたからって、カレーはカレーで、私にとって味は同じ。

まあ社交辞令で、「この方が美味しい!」とは言いましたけど。



以降、手での食事を続けた結果、
一度や二度の経験では分からないことが、
たくさんあるんだなと思い知らされました。

ある日、魚のカレーを食べた時のこと。
誤って爪の間を小骨でグサッ。ぎゃーっ!!
傷に激辛カレーが沁みること、沁みること。

また、親不孝者ですから、指にサカムケ(ささくれ)も出来ます。
そんな日も、辛かった。

箸やスプーンを使わず、手で美味しく食事をするためには、
怪我をしない、丈夫な手を持つことが条件らしい。

握手をすると、インド系の人の手の皮の分厚さが分かります。
生まれてから、カレーで鍛えてきた手なんですね。