私の見たポルノ映画②

90年代中頃、怪獣的な主演女優さんを見たが、
一体どういう訳だろう、とのお話です。

先に、アダルトビデオの話をさせて下さい。

AV界は、バブル期あたりが、
大きな転機だったように思えます。

AVも初期の頃は、その気にさえなれば、
女性であれば誰でも出演できたとは言いすぎかな?
女優さんが可愛かったり、美しかったら、
それだけで評判になった時代です。珍しかったのです。

80年代後半頃から、標準以上の女のコが増え、
90年代には、AV嬢は可愛いくて当たり前となります。
確か、「美少女時代」なんて呼ばれていましたね。
単体AV嬢として評判になるには、
プラスαが必要になる時代になったのです。
(企画物等やインディーズは別)



90年代、ポルノ映画は、AVに押しまくられていました。

そこでは、どんな女性が出演していたのか。

当然、超低予算だし、女優に高額ギャラを出せたはずはない。
脱いで金が欲しい人たちは、AVに行ったでしょう。

本番には抵抗のある女優の卵たちだったのかなあ。
私にはよく分かりません。

ただ、こんな話を聞いたことがあります。

水商売や風俗の場合、
ポルノでも、映画に出れば「箔」になったそうです。
90年代には、まだそんな雰囲気が残っていたのです。
その箔を付けるため、ノーギャラでも出演希望があったとか。
予算が無いから、撮影側としては渡りに舟と受け入れます。
女優さんとしての質には、
少々、いや多少、いやいや多々、目を瞑ります。

現在は知りませんが、少し前だと、
(元)AV嬢と肩書きが付いた方が客が付くからと、
ストリッパーや風俗嬢がAV出演する例があったようです。
それと同じです。

ポルノ映画全盛時代には、
お金と熱意でもって、最良の女優さんが使えるように、
努力がなされていたと思うのです。

でも、90年代になると、
妥協に妥協を重ね、投げやりな選考がなされるようになり、
裏事情を勘繰らざるを得ない人も出る事態であったらしい。



ポルノ映画一本目の我が感想は、
この低空飛行産業は、客の好みや願望を汲み取り、反映させて、
作品にしているのではないらしい、ということ。
内部事情に左右されて、内容は二の次になっており、
かつての黄金期のプライドは見られない、
という情けないものでした。

この感想は、
次の意味不明の前衛ポルノで確信に変わっていくのです。


                    まだ、つづく