2007-11-01 顔色の悪い輪ゴムが寝る蛇口 川柳・俳句・短歌(もどき) #俳句、川柳 ◎川柳「顔色の 悪い輪ゴムが 寝る蛇口」 輪ゴムって、買ってきたばかりの時は、 赤味噌のような色をしています。 それが、何度も使っていると、 弱ってきて、顔色が悪くなって、 白味噌の色のようになります。 過労です、助けてください、と訴えているようです。 切れそうで心もとないので、 二重輪ゴムの、合わせ味噌戦法を使ったりもします。 最近は知りませんが、 以前の主婦は、流しの蛇口に輪ゴムを掛けていました。 あれ、手前のものばかり使いがちですが、 主婦というのは目ざといもので、 手前に白味噌色、奥に赤味噌色がある時は、 奥の丈夫そうな奴を引きずり出してきて使います。 かくして、蛇口は、白味噌色だらけになり、 輪ゴムのホスピスのようになってしまいます。 蛇口にこびり付いて最期を迎える奴もあります。 「もののあわれ」を感じるのです。