あたしゃ福本豊が好きだ、という話

先日の記事の、hiromi師匠とのコメントのやり取りの中で、
タイガースとか、福本豊氏の話になった。

現在、我らがタイガースは絶好調で、なんと9勝2敗。
好調すぎて気味が悪いくらいだ。
ただ、私が独自の視点や切り口で語れる内容は無いので、
トラ軍団の話題にはこれ以上触れないことにする。

で、福本豊氏の話なのである。

いわずと知れた名選手で世界の盗塁王であり、
現在は関西の野球好きにとっては名解説者であり、
障害者野球にも尽力されている、真の野球人である。

そんな事をあれこれここで書くのも屋上屋を架すようなものだ。

私がここで書きたいのは、
関西のラジオで彼が語ったある事なんです。
これに私は感動してしまったのです。

現役時代も引退後も、実に逸話の多い方なのですが、
これはそれほど知られてないような気がする話です。

野球選手なら誰でも、審判の判定に不満を持つ場合がある。
そんな時、猛抗議をして、暴言を吐いてしまったりする選手がいる。
個人的な感情だけど、貴重な木で作られたバットを折る奴は許せぬ。

さて、誰でもムカッと腹が立つ状況で、福本豊はどうしたか?

審判に「貸し!」と言ったのだそうだ。

審判だって人間だから、誤審したかもしれないと思っている。
でも認めるわけにはいかないから、
抗議されても強い態度で対応するので、
暴言や退場騒ぎにまで発展してしまう。

でも「悪いことをしたかもな」とうすうす感じている審判に、
「貸し!」と釘を刺しておくと、
後に微妙なストライクをボールと判定してくれるなど、
お返しがあると言うのである。

まさに「達人」ではないか。

これは野球のみならず、普通の人生にも通じるような気がする。
実際、商人哲学のような話なのである。

世の中には、どうしても理不尽な事がある。
それに見舞われた時に、
自分の立場や正当性を強く主張するのも大切だが、
ある一線において
「今日のところはこっちの負けにしといてやる。いつか穴埋めをしろよ」
と、引いてやる事も、場合によっては先々の為になるはず。

話が飛躍してしまったので元に戻そう。
福本豊とは、実に見事な人間なのだ。

私は、彼が誉める選手は全て大好きだし、
彼が誉めるプレーには全て感動することにしている。
野球に関しては、彼に我が脳みそを全て預けたつもりなのです。
門田博光が帰ってきたら、半分に分けますけどね)