今日の日はさようなら

さて、何度か洋楽とその歌詞の一部について、
いろいろと書いてきました。

では、日本の歌で一番好きなのはと問われると、難しい。
それは、この曲のせい。


  今日の日はさようなら

  1.いつまでも絶えることなく
    友だちでいよう
    明日の日を夢見て
    希望の道を

  2.空を飛ぶ鳥のように
    自由に生きる
    今日の日はさようなら
    また会う日まで

  3.信じあうよろこびを
    大切にしよう
    今日の日はさようなら
    また会う日まで
    また会う日まで

http://jp.youtube.com/watch?v=A_qxs_jMsUE


以下、園橋の個人的な意見です。

私は全ての日本の曲の中で、いや日本語の全てのフレーズの中で、


  「今日の日はさようなら また会う日まで」


という部分が一番好きです。圧倒的に。

何て素晴らしい日本語なんだろうと思う一方で、
この曲の他の部分の歌詞が陳腐に聞こえて仕方ない。

「明日の日を夢見て 希望の道を」とか、
「信じあうよろこびを 大切にしよう」ってのは、
標語みたいで、どうも心に沁みてこない。

「空を飛ぶ鳥のように 自由に生きる」との部分に至っては、
園橋の一番嫌いな表現です。
自由に空を飛ぶ鳥たちが、どんな厳しい生存競争を強いられているか、
思いやりもしない身勝手な表現に思える。
相手の事情や背景を考えもせず、一方的に羨ましがる精神は気に食わん。

思うのだが、「今日の日はさようなら また会う日まで」というフレーズには、
友情であるとか、信頼関係とか、明日や未来への希望とか、自由への希求とか、
出会いには必ず別れが伴うという生きる事の寂しさとか、
そんなものが全て含まれているのだ。

他の部分の詞は、それを説明しようとして、
全体として失敗しているように思えてならない。
俳句だって、説明的になればなるほど、つまらなくなるように。

もし私が「今日の日はさようなら また会う日まで」という歌詞を作るとしたら、
他の部分は、叙事詩か叙景詩にすることでしょう。
「おもいでのアルバム」が心に沁みてくるように。


まあ、そう文句を言いつつも、
改めて聞いて、改めて実によい曲である。
やはりこれが一番かな。