寒川旭「秀吉を襲った大地震:地震考古学で戦国史を読む」

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嫌な偶然があるものだ。

この本を先の週末に読み終え、勉強になったと思っていたら、
今朝は地震で目が覚めてしまった。
奈良県宇陀市で震度4、ここ宝塚市は震度2。
被害が出るような揺れでは無かったけれど。


本書は、豊臣秀吉が天下を取った頃にあった、
天正地震震源は岐阜)と伏見地震の二つについてのもの。

よく言われるように、阪神大震災の前は、
関西には地震はないと妄信していただけに、
その関西や中部地方でのかつての大地震には関心を覚えます。

そんな中で、
地震が当時の時勢に及ぼした影響の話題はとても興味深かったです。
地震加藤」って、そういう意味だったんですね。

比較的新しい「地震考古学」の経緯と成果も、読む価値があった。
多くの遺跡で見つかる液状化の跡の説明や、
地層のずれなどの話題など。

何より、259ページ辺りの伏見地震兵庫県南部地震の関係は、
読んでいて呆然とさせられた。

この一帯の断層が活動して伏見地震になったのだけれど、
その際に大人しくしていた野島断層が1995年に動いた。
一方で、伏見地震で活動していた六甲断層帯は、
兵庫県南部地震での活動は小さかった、と。

秀吉を驚かせた地震の、
(ある意味)揺れ残しを我々は体験したってことなのか。。。