安過ぎる訳は聞くなと難読書

◎川柳「安過ぎる 訳は聞くなと 難読書」



震災前の事だが、
ブックオフで105円で買ってきた文庫本は、
非常に読みにくいものであった。

本の読みにくさには、いろいろな理由があると思う。
内容が難解だとか、難しい漢字が多いとか、活字が小さいとか。

が、その文庫本の読みにくさは、予想外の理由でした。
なんと、

  「クサイ!」

防虫剤の臭いなのである。ナフタリン。

本の防虫を気にするなんて、ちょっと信じられん。
一体、この本の前歴はどうなっていたのだろう?

メチャメチャ害虫の多い部屋だったのか、
強烈な潔癖症で本に付く小さな虫も許せぬ持ち主だったのか。
もしくは服のポケットに入れたまま押入れに入れていたのか。
それにしても、最近は匂わない防虫剤が主流だよなあ。

私としても、買う際に気付かなかったのが痛恨でした。
背表紙だけで決めちゃったから。


この本を読もうとすると、
顔から50センチくらい離さねばなりませんでした。
老眼のような感じで。

子供の頃、「目が近い」とよく親に叱られたもんですが、
読書の際の姿勢の悪い子供用として、
本に嫌な臭いを付けるのはどうでしょうな。