今夜のあなたは完全に私のもの


一番好きなアルバムを挙げよと言われたら悩むが、
多分、キャロル・キングタペストリー」を選ぶと思う。
1971年の大ヒット作品です。

中で一番好きな曲は、"Natural Woman"。
"You make me feel like a natural woman"というフレーズには痺れました。
「あなたは、私を自然な女性であると感じさせてくれる」とでもなるでしょうか。


そしてもう一曲、この"Will you still love me tomorrow"にもやられました。
彼女と彼女のかつての旦那の共作曲で、
先に1960年にシュレルズによって全米第一位になっています。

洋楽大好きだった中高生時代、関連本を買ったところ、
この曲は歌詞内容があまりにセクシーなので、
ラジオで放送禁止になったことがある、と書かれておりました。
多感な年ごろですから一体どんな曲なのかと気になって、
レンタルで借りてきてシュレルズのヴァージョンを聞き、
歌詞カードも読んだけれど、大したことはない。
妄想は膨らみっぱなしだったんですけどねえ。
アメリカも60年代前半はお堅かったんだな、と知った次第でした。

ところが、大学生になり、このキャロル・キングの歌で改めて聞いて、
ノックアウトされてしまったのです。

なんとまあ、色っぽい・・・
情事の直後のベッドで歌っているかのような雰囲気。
大人の女とは、、、の一片を教えられたかのようで。


  今夜のあなたは完全に私のもの
  やさしく私を愛してくれた
  愛の輝きがあなたの瞳に見える
  でも、明日になっても私を愛してくれるの?

  これはいつまでも続く宝物なのか、
  それとも一瞬の喜びなの?
  あなたのため息の魔法を信じてもいい?(「息づかいの魔法」と訳すべきか?)
  明日になってもまだ私を愛してくれるの?

  今夜、声にならない言葉で、
  あなたは私が唯一の存在だと言ってくれた
  でも夜が朝の光に出会う頃には、
  私の心は張裂けてしまうのかも

  私は知りたい あなたの愛が確かなものであると
  だから言ってくれる? 二度と聞かないから
  明日になってもまだ私を愛してくれるの?

  (園橋の勝手な訳です)


初めて男を知った少女のような感じがシュレルズのにはするのに対し、
キャロル・キングの歌は、愛を失う淋しさを知り尽くしている女性の感じ。
何度聞いても切なくなります。
特に木枯らしが吹く冬の夜には。

ちなみに、バックグラウンド・コーラスで、
すばらしい。