これ以上背は伸びぬから山へ行く(私的その辺の歩き方①)

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◎「これ以上 背は伸びぬから 山へ行く」(私的その辺の歩き方①)



かつて読んで、今も記憶に残っている言葉。
人生を左右した、とは大袈裟すぎるけど。
手元に現物がなく、書名も失念しているので、
間違っている可能性は高いが、内容はこんな感じだった。


「初めての町に行ったら、まず高い所に登り見下ろしてみよ」


宮本常一への父親からの言葉(のはず?)。
哲学でも、人生論でもなく、
私はこんな言葉に感化されたのであります。

中高生時代、六甲山系の斜面にある学校に通い、
晴れた日は大阪平野を遠望していました。
だから、高台から町を見下ろす感覚はよく分かってます。

この言葉で、それが意識してでもやるべき行為と知り、
嬉しくなっちゃった訳です。


神戸の町を知りたかったら、六甲山から見下ろす。

京都の町は、大文字山から見下ろす。
神戸は細長い町だから六甲山だけで構わないが、
京都の場合は、小塩山などの他の方向からも見下ろすと、より良い。

大阪は、生駒山からが良かったなあ。
人工物でも構わないから、観覧車や、今の府庁の展望台もよろしい。

一回では見落とす事が多く、繰り返し登るたびに新しい発見がある。
不思議なくらい、飽きることがない。
この点は、宮本常一父の言葉とは、ちょっと違う感覚かも。

特に、歴史ある町を見下ろす気分はいいものです。

見下ろした際の見え方を念頭に、平地も歩く。
そして、下からその山が見えたら、そこにいたかつての自分に対して、

「よっ!」

と、心の中で声をかけるのであります。



※写真は、六甲山頂から、大阪中心部あたりの眺め。
見えている山は、金剛山葛城山だと思う。