安藤優一郎「観光都市 江戸の誕生」







本年の読書はじめは、この本になりました。
面白かったです。

初詣の時期であったので、
成田不動が有名人気寺院になっていく過程が、
特に興味深く読めました。

これまで考えた事は無かったのだが、
「何故、この社寺は有名なんだろう?」
という着眼点も必要なんですね。

成田山の場合は、
当時の藩主が地元の人心を得たかったのがきっかけで、
江戸での開帳にあわせた市川団十郎の歌舞伎がヒットし、
目を引く華麗な江戸入り道中でも評判を獲ったという、
「メディア・ミックス」を150年間も続けたことが、
現在でも全国有数の初詣客を引き寄せる人気に繋がっている。


AとBという二つの似た様な社寺があって、
Aは有名だけど、Bは無名だとする。

無神論ではないが、ご利益には差は無いはずだ。
では何故違いが生じるのかというと、
「宣伝力」でかなりの部分の説明がつくのかも知れぬ。

勿論、本書に出てくる太郎稲荷のように、
参拝した人がタイミングよく病気平癒してしまう等の、
偶然から差は始まるのかも知れぬ。

しかし、それが口コミで広がるのも、宣伝力。
結局のところ、世の中ってのは・・・


こんな事を書いていたら、
つい先日の我が初詣のご利益が無くなってしまいそうだが、
実際のところワタシが足を運んだ社寺も、
よく考えたら「宣伝上手だよな」と深く頷いております。


本年も、順調な読書はじめとなりました。
さて、馬券はじめはどうなりますやら?