フェリックス・フランシス「強襲」






ここ数年、小説はほとんど手にしてませんが、
本シリーズは見つけたら、読まざるを得ません。

パリのテロの直後だったので、
架空の殺人事件であっても、
心のある部分が反応してしまい、
読み始めは辛かった。

でも、読み進める内に夢中になって、
頭の中がほどよく空っぽとなり読了。

そりゃあ、父の初期の名作と比べると、
いくつも不満点はあるけれど、
無意味な比較はもうしないことにします。

星四つ。☆☆☆☆



父ディック・フランシスとの共作名義としての
最後の作品「矜持」翻訳本は2012年。

以後、息子フェリックスの単独作として
何冊か出版されていたけれど、
翻訳本は出版されてませんでした。

父の作品ほどの愛着は無いので、
私もずっと忘れたままだったのですが、
なんと今年から「新・競馬シリーズ」として
翻訳本の出版が再開されていました。


北上次郎氏の解説で初めて知りましたが、
翻訳ミステリーを取り巻く状況は厳しく、
本書以外のフェリックス単独作の翻訳が出るのかどうか、
まだ分からないととのこと。

実際、本書もかつての早川ではなく、
別の出版社から出されています。

図書館で借りて読んでしまい、
売上に貢献しなかった私はちと反省。


でも、もし続きが出ないのであれば、
英語の原文で読んでみようかと思ったり・・・

個人的な英語の勉強のためには、
次の翻訳が出ない方がいいけど、
多くの人に読んで欲しいとの思いもあるし、
強がりを言っても和文の方が100倍読むのは楽だし、
さて、どっちに転がるかしばらくは様子見を続ける所存です。