石切山のモチノキ
現代のネット社会で、
ちょっと調べればすぐに分かるのに、
面倒だったり、
調べるという発想が浮かばなかったりで、
そのまま放ってある事ってありますね。
それで見当はずれの方向で探し物をしてたりする。
モチノキは、私にとってそんな樹であります。
私にとっての巨樹のイメージは、
童話「モチモチの木」の影響があります。
小学生の頃、絵本で読んだのか、
教科書に載っていたのか、
どっちだったろう?
話の内容もそうだったが、
画のタッチが子供心におどろおどろしく、
巨樹にぴったりで迫力があった。
で、大人になって、
実際のモチノキがどんな樹か知り、
「あれれ?」っと思った訳です。
童話は、特に夜に、
弱虫の子供がモチモチの木を怖がるという内容。
でも私が見たモチノキは、
常緑樹ながら割合明るい雰囲気であり、
夜になっても特に恐ろしい存在ではなさそう。
写真は、石切山のモチノキです。
萌芽更新なのでしょう、株立ちしていて、
それぞれ20~30センチ程度の胸高直径。
樹高は、目視では12~14メートルくらい。
私が宝塚市内でみたモチノキの中では最大クラス。
まあそれほど数が多い訳ではないですが。
あっ! 断っておくべきかも。
この木が本当にモチノキかどうか、
100%の自信はありません。
何しろ手が届く範囲に葉のついた枝はなかった。
樹皮の感じとか、
遠目で見た葉の雰囲気から、たぶん、です。
ややこしいのですが、
植木屋さんはクロガネモチの事を、
「モチノキ」と呼ぶ場合があります。
とあるマンションの植木に
「モチノキ」と書いた札のついたのがあるけど、
どう見てもクロガネモチだったりしますし。
クロガネモチの方が、葉の色は濃いし、
社寺の境内にあるクロガネモチの巨樹ならば、
夜になると恐ろしい印象を受けるかもしれない。
童話の中のモチモチの木は、
クロガネモチだったのかな?
と、この段階で、私は思考を止めておりました。
ところが、つい数か月前、
とある植物系の掲示板の議論を見ていて、
モチモチの木とは、トチノキであることが判明!
な~んだ
トリモチの「モチ」じゃなくて、
食べるトチモチの「モチ」なんやね。
そこで初めて検索をして、
童話の内容も確かめて、
これまで無意味な事を考えていた、と分かりました。
何度となく、山でモチノキを見るたびに、
「これがモチモチの木かぁ」と思っていた自分。
時間のムダやった。
何だかちょっと情けない。
ところで、トチの木って怖いですか?
確かめてみたいが、
宝塚市内にトチの木があるかどうか、
私にはよく分からぬのです。
ベニバナトチノキ(多分)の街路樹はあるけどなあ。