こうして関西弁が汚される



腹の立った昨日のニュース。

「関西弁版」に不適切な表現、経産相が撤回指示

2025年に大阪での開催を目指す国際博覧会(万博)を巡り、
経済産業省が作成した報告書の「関西弁版」に、
不適切な表現が入っていることがわかった。

世耕経産相は14日の閣議後の記者会見で、
「撤回するよう指示した。
管理上問題があり、おわびしたい」と陳謝した。

これ、全国ニュースになったのでしょうや?
関西内だけでの話題かな?

内容の不適切さと同じくらい、
関西弁の文章の汚さが目に付く内容でした。


田辺聖子先生の文章を、
ラジオでニュースを聴いた際、
私は真っ先に思い浮かべました。

関西弁を文章で書いたら、
右に出るものは無い名手であります。

詳しくは知らないが、
彼女だって一朝一夕で
あの文体に辿り着いたのではあるまい。
知恵を絞り、工夫を重ね、
磨き上げられた極上の文章なのである。

今回の報告書を書いた人に尋ねたいのだが、
文章を磨くという努力をしました?

田辺聖子先生に限らず、
数多くの偉大な先人達が、
関西弁での文章を苦労しつつ書いて来ている。

そういった先人達の文章をちょっとでも読んで勉強した?

こういった報告書の場合、
田辺先生よりも、桂米朝師の文章の方が、
参考になったと思う。
彼の本を読んでたら、あんな文は書かないよね?


日本に生まれ、日本語を普段使いするからと言って、
適切な日本語の文章をすぐに書ける訳ではない。

官僚の報告書の文章だって、
よく批判されたり、揶揄されたりもするが、
多くの先輩官僚たちが苦労して作り上げてきたものだろう。

それを真似・踏襲するから、
青二才の官僚でも一人前の報告書が書けるのである。


過去の関西弁の文章を勉強し、
その上で自分で磨き上げる努力しなきゃならないのに、
やっつけ仕事で関西弁が汚された事に、
関西在住人間として憤りを覚える。


今回「撤回」とのことだが、それでいいのだろうか?
「書き直せ!」と突き返すべきだと、私は思う。

内容・表現ともに、かなり無能な書き手だろうから、
100回くらい書き直しても、
ろくな報告書にはならないかもしれないが、
それでも書き直させるべきだと思う。

そうやって、社会全体として、言葉は磨かれるのだし、
後の時代への財産にもなるのだと思うから。