白水貴「奇妙な菌類:ミクロ世界の生存戦略」






菌類(真菌が主)について初心者の私には、
とても興味深い読書になりました。

まず菌類の総体的な説明が簡単にあり、
それから個々の菌の不思議について
小ネタ的に並べられている一冊。

「小ネタ」と書いてしまったが、
それらを続けて読んでいくと、
菌類とは何か、その研究は現時点でどうなっているか、
浮かび上がって来ます。

ガッツリと読みごたえのある本ではなく、
最近の新書らしく、
軽く読んでおぼろげに為になるという内容。

丸山先生の「昆虫はすごい」に似た感じですが、
電子顕微鏡を持たぬ普通の人間にとっては、
「じゃあ観察を始めよう!」
とはならぬのがもどかしい点ですね。

ただ、昆虫とちがって、
良くも悪くも人間への影響が大きいために、
実学的な部分で希望を感じさせられたり、
考えさせられたりするのも面白かった。


ブームなのか何なのか、
キノコ関係の観察本は数多く出版されていて、
その美しさなどを楽しませてくれてます。

それらと同時に、本書も読んでおくと、
菌類への理解が深まります。

カビ対策が必須の今の時期、オススメ!