XXXTENTACION "SAD!"
矢部さんのマンガ同様、
これも私ごときが何を今さら、
なのだけど・・・
XXXTentacionが先月事件に巻き込まれ射殺され、
その後、遺作とも言える本曲がチャートでトップに立ち、
彼のことを知らなかった私も、
ようやく数曲を聴いてみました。
当人の死をきっかけに始めたミーハーみたいで、
相当に恥ずかしいのですけど、
この曲を聴くのをやめられない自分がおります。
ヒップホップにそれほど興味はなく、
知識もほとんど無い人間なので、
頓珍漢な感想しか出て来ませんが、
昭和人間のオッサンが思ったことを以下に。
私は日本人だから、
日本の楽曲がよく耳に入ってきます。
バブル期なんか、特にそう思ったけど、
「恋愛=オシャレなこと」
という構図がありました。
今でも色濃く残ってます。
失恋ソングは、
オシャレじゃないちょっとカッコ悪いボク、
を歌うものでした。
かなり乱暴な一くくりですけど、
私の解釈はそんなところです。
そこと対比させてはじめて、
"SAD!"の内的世界が
鈍感な私にも見えて来る気がするんです。
たぶんこのSADには、
「悲しい」と同時に、
「別離不安障害(Separation anxiety disorder:SAD」の意味も、
込められているのでしょう。
恋愛する事は、
生きることそのもの、
自分が存在する事そのもの。
別れるということは、
自分の存在そのものが失われるということ。
自分に確信をひとかけらも持てない男が、
オドオドしている様子が、
この曲からは浮かび上がって来る。
オシャレとは程遠い、
綺麗事など言ってられない、
生身の恋愛がここにはあるんです。
彼の他の作品を全て聴いて、
歌詞を読んだ訳ではないし理解不足もあるだろうけど、
ご自身の不安のさらけ出し方が、
凄まじく上手で
心を鷲づかみにする力が漲っています。
私小説家の文章に近いものがあると思えるのだけど、
どうだろうか。
普段の私はヒップホップというだけで、
ろくに聴きもせず遠ざけてしまうのだけど、
知らないだけで、知ろうとしてないだけで、
侮れない才能もたくさんいるらしい。
なんか、スゴイ世界だな。。。