ロープ



この正月、いつもの近所の裏山を歩いた際、
珍しくも先客と出会った。

小学生くらいの男の子と、
60代くらいのおじいちゃん、というコンビ。

帰省してきた孫と裏山に登るってのは、
とても良い光景ですよね。

狭い道なので、距離を保ちつつ、
彼らの後ろをぶらぶらと歩いたのだが、
一つ気になる点があった。

ところどころの急斜面に、
ロープが設置してあるのだが、
子供にとってはフィールドアスレチック感覚なのだろう、
面白がって全体重をロープに預け、
時には反るような体勢で登って行ったのだ。

注意しようかと思ったのだけど、
せっかく楽しんでいるところを、
口うるさいオッサンが邪魔するのは無粋である。

黙って見ておりました。

基本、山道に設置してあるロープなんて、信用できない。

私も、これまで何度か、
危なっかしい状態のを見たことがある。
括ってある木が枯れている、とか。

だから、あくまでも補助として利用させてもらうのが正解。


と、まあ、こんな偉そうなことを書いている私が、
山道のロープで失敗したのが先週末。

めったに使わぬ山道を降りる際、
滑りやすい急斜面だったので、
設置ロープを何回か握った。

その際は、何だかチクチクする感じがあっただけだが、
翌日になって、指の数か所が赤く小さく腫れ出した。

トゲが刺さっているようなのだ。

普通の植物性のトゲなら、
茶色とか黒っぽく見えるので分かりやすいが、
刺さったのはロープ繊維のささくれであるらしく、
白とかほぼ透明なのである。

抜くのに、非常に苦労した。

オッサンの硬い皮膚に繊維が刺さるってのは、
あのロープは相当劣化していたということ。
日の当たる場所だし、紫外線の影響もあるのかなあ。


そう、山のロープには、こんな落とし穴もあるのである。

やはり頼ってはダメ。
使う際、素手はダメ。

今から、1月5日に戻って、
あの男の子に注意してあげたいところだが・・・