柏もらいの下手な木登

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◎武玉川より「柏もらいの 下手な木登」




すみません、一日遅れてしまいました。


何度かご紹介させてもらった「武玉川」より。

朝日選書での神田忙人氏の、この句への解説をそのまま引用します。


  柏餅は自分の家で作る。
  それで柏の木のある家から柏の葉をもらうのだが、
  木登り下手な男のあぶなっかしい様子である。

  現在は新暦の五月の節句だから今年の葉はなく塩漬けの葉を使うが、
  旧暦の時代は新しい葉だから色も匂いも良かった。


なるほどなあ、本来の柏餅は、新葉を使ったんですね。
現在の六月ですから、新葉でも、かなりしっかりした葉でしょう。
初夏のほほ笑ましい江戸風情が感じられて、とても好きな句です。



柳多留には、次のような句もあります。


◎「柏にて くるむと団子が 餅になり」

そう言われてみれば、柏餅は「餅」と名乗っているけれど、
もち米は使われていません。
米粉からつくるのですから、団子です。
でも、「柏団子」では、しまらないような。