北但大震災(坂田治郎編著「むかしの但馬」より)

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兵庫県豊岡で自然状態でのコウノトリの孵化が話題になってます。
あれが自然かどうか、はなはだ疑問ですけど。

昔のコウノトリの姿が見ようと、
坂田治郎編著「むかしの但馬:絵はがきに見る明治・大正・昭和」
を借りて来ました。

が、読み進めるうちに、コウノトリより、
ほとんど知らなかった北但大震災に興味を覚えました。



本書によると、北但大震災とは、
1925年5月23日(関東大震災の二年後)、
マグニチュード7、兵庫県北部から京都府の一部が被災し、
北但全体で死者465人(京都も合わせ429人との資料も)。

温泉で有名な城崎は、町のほとんど全部が消失し、死者272人。

城崎は観光地だったこともあり、震災前の写真が多く、
震災直後の報道写真等もたくさん保存されているそうです。
並べると、凄まじさがあっけないほど明確です。

震災前の写真から分かるように、三階建て木造建築が多い。
揺れで一階が押しつぶされた後に、火事。
被害者で多かったのは、一階で昼食準備中だった女性。

震災前は、志賀直哉「城の崎にて」の世界で、
写真からも実にのんびりした情緒ですが、
後知恵で見ると、地震に無防備過ぎる建物ばかり。

但馬は古来地震の少ない地域で、
地震とは無縁であると考えられていたとか。
そう思い込んでいたのは、70年後の阪神大震災と同様。
我らが兵庫県は、そういう運命なのでしょうか。
(ちなみに本書は、阪神大震災の前年に出版されている)



神戸新聞但馬総局編「城崎物語」も参考にしました。