「みなしご」が季語である事について

昨日の記事の、
「みなしご」が秋の季語だと辞書に書かれていた件ですが、
歳時記を何冊か見て、間違いの経緯が判明しました。

季語である「みなし子」は、
「蓑虫(ミノムシ)」の事のようです。

講談社の「カラー図説 日本大歳時記」では、
ミノムシの項に、「鬼の子」「鬼の捨子」「みなし子」
「親無子」「木樵虫」「蓑虫鳴く」と、出てきます。

真実ではないですが、
ミノムシには「父よ父よ」と鳴くとの言い伝えがあるのだとか。


  高浜虚子「蓑虫の父よと鳴きて母もなし」


と、虚子氏にしては、
下らなく私には思える句が紹介されています。




と、言うわけで、孤児を秋の季語とした小学館さんは、
反省していただきたいものです。
改訂で直されているとは思いますけど。

また、「みなし子」=「蓑虫」と分かる人は、
ほとんどいないでしょうし、
季語の世界からも消す方が良いのでは、と思いました。