美女に石ぶつけたいかと自問の夜

◎川柳「美女に石 ぶつけたいかと 自問の夜」





ハンドボールが何かと話題です。

私は、高校の体育の授業でやったきり。
ルールなどほとんど憶えていないですが、
ゴールキーパーを試した時の恐ろしさは忘れられません。
あの硬いボールが、顔目掛けて飛んできたりしますから。



さて、話題が強引に飛躍するのが、我がブログの特徴です。
本記事も、ハンドボールの話題から、
江戸時代の伊勢へ時空を超えて飛ばせてもらいます。

以下、桂米朝氏の著作や、東海道中膝栗毛を参考にしてます。



伊勢の内宮と外宮の間に、
「お杉お玉」と呼ばれる若くてきれいな二人が、
三味線を弾き「間の山節」を歌う小屋があったそうです。

客は、この二人の顔を目掛けて銭を投げるんですね。

でもバチで払ったり、避けたりして、当たらない。
その得意げな顔に腹が立つので、
客は競争で、ムキになって、銭を投げていると、
いつの間にやら、かなりの額を使ってしまう、という仕組み。

また、意地汚い客が、銭ではなく石を投げ付けたら、
瞬時に見破って、バチではじき返し、
投げた客の顔にぶつけてしまったりもする。
まったく、タイガースにスカウトしたくなる腕である。

一体どんな修行をしたら、こんな事が可能になるのでしょう。
子供の頃から、血涙の日々を送ってきたのかも。

ハンドボールのキーパーと共通点があると思うのですが、
こんな連想をしてしまうのは私だけ?



さて、この芸が江戸時代だけのものだったのか、
明治大正にもあったのか、私には分かりません。
まあ現代では、人権問題となり、絶対に許されないでしょう。

私も「若い女の人の顔に銭や石をぶつけようなんて!」
と、善人ぶって言ってしまいそうですが、
心の底には「やってみたい」願望が眠っているはずです。

人間なんて、そんなもんです。


  ◎川柳「ちょっとした 残酷心に 利用価値」


そんな残酷心をも、銭儲けのネタにしてしまうとは、
人間ってしたたかだなあと、つくづく感じ入ってしまうのです。