その人は地球のように歌うのさ

◎川柳「その人は 地球のように 歌うのさ」




ルイ・アームストロングの"What a wonderful world(邦題「この素晴らしき世界」)"

http://www.youtube.com/watch?v=vnRqYMTpXHc


  緑の木々が見える。真っ赤なバラも。
  彼らが僕や君たちのために咲いてるのが見える。
  そして思うんだ、何て素晴らしい世界なんだ、と。

  青い空と白い雲が見える。
  明るい祝福された昼間があり、暗い神聖な夜がある。
  そして私は思うんだ、何て素晴らしい世界なんだ、と。

  大空の虹の色がとてもきれいで、
  行き交う人々の表情にも輝いている。
  友たちが握手をして「ご機嫌どう?」と言ってるのが見える。
  彼らは心から「アイ・ラブ・ユー」と言っている。

  赤ちゃんたちが泣いているのが聞こえる。彼らが成長していく。
  彼らは、私以上の事を習うんだろう。
  そして私は思うんだ、何て素晴らしい世界なんだ、と。
  そう、何て素晴らしい世界なんだろう。


以上、園橋の勝手な和訳です。
英語の歌詞は、この記事の最後に付けておきます。


「この素晴らしき世界」は、1968年の世界的大ヒット曲。
ただ、ベトナム戦争等に関連した政治的空気を意識した歌詞のせいでしょうか、
当時、本場のアメリカでは全くヒットしませんでした。

本当に素晴らしいものを、素直に素晴らしいと思えないのが、
「戦時」というものなのでしょうか。
結局のところ、戦争ってのは集団ヒステリーですから。



それにしても、歌うサッチモの表現力は化け物としか言いようがない。

訳してみると分かるのだが、この歌詞は少々出来過ぎの感がある。
あまりにも理想的、かつ楽天的すぎるんです。
普通の人が歌うと、
きっと甘いだけのアイスクリームのようになっちゃうのだろう。

ところが、声そのものに塩味が効いているのがサッチモなのだ。
ペーソスあふれる歌声の魔法により、
単なる理想や楽観ではなくて、
人生の苦しみや悲しみを知り尽くしているからこその前向きさが表現される。



◎川柳「志ん生が 読めば僕のも 名句かも?」



なんとなく、ではあるのだが、
私の中ではサッチモと、昭和の名人五代目古今亭志ん生がだぶるのである。
どちらも表現力のお化け、という意味で。

同じ言葉であっても、志ん生が口にすると、
何だか可笑しくなってしまう。
そんな魔法の持主だった。

私の駄句も、こんな人に読んでもらいたかったなあ。



  WHAT A WONDERFUL WORLD
   (George Weiss / Bob Thiele)

   I see trees of green, red roses too
   I see them bloom for me and you
   And I think to myself, what a wonderful world

   I see skies of blue and clouds of white
   The bright blessed day, the dark sacred night
   And I think to myself, what a wonderful world

   The colours of the rainbow, so pretty in the sky
   Are also on the faces of people going by
   I see friends shakin' hands, sayin' "How do you do?"
   They're really saying "I love you"

   I hear babies cryin', I watch them grow
   They'll learn much more than I'll ever know
   And I think to myself, what a wonderful world
   Yes, I think to myself, what a wonderful world

   Oh yeah