落とし蓋のように湯船でタオル載せ

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◎川柳「落とし蓋 のように湯船で タオル載せ」



学生の頃、合宿もどきをやっておった時、
近くの山峡の温泉ホテルを銭湯替わりに使わせてもらってました。

ところがある日、いつものように入館しようとすると、
フロントで「すみません」と言われたのです。

何でも女性の団体の宿泊客があるとかで、
その時間帯、大浴場はどちらも女湯にしているのだとか。
外湯の男は小浴場を使うしかない。
私たちとしては何より汗を流さねばならないので、
それでもいいからと入浴させてもらいました。

実に気持ち良い大浴場と露天を日々の楽しみにしていたのに、
町の小さな銭湯のような湯船では物足りなかったです。
小さい露天にせせこましく浸かっていると、
塀越しに本来は男湯の大露天から楽しげな女声が聞こえてきます。

「チクショウ、ええなあ。
俺たちもそっちに入れてくれ! 混浴させてくれえ!!」

そう叫びたくなったものです。



話題は唐突に変わります。

最近はこの手の納豆容器が増えて来ました。
フィルムがなくなり、タレはゼリー状。
なかなか便利な優れ物ですよね。

で、この容器を見るたびに思い出すのです。

あの大浴場と小浴場の広さの比率と、
納豆とタレのスペースの比が似ているな、って。

タレたちは、当時の我々同様に、
この狭さを理不尽に感じているのではなかろうか?

「俺たちも広い風呂に入れてくれ! 混浴させてくれ!!」

容器の蓋を開けるたびに、
そんなタレたちの叫びが私の耳には聞こえてくる。

そこで箸でタレをつまみ、大浴場の方に入れてやって混浴にすると、
タレは大喜びではしゃぎ回って納豆とヨロシクなさります。
何だかこう、和合の神様になった気分がしますね。



どうも訳の分からぬ記事になっておりますが、
最後に川柳の解説を。

お風呂でタオルや手ぬぐいを頭の上に載せるのは、
煮物での落とし蓋と同じような効果を求めてのことと思われます。

女性の方も、是非なさって欲しいものです。
温まりますよ。