フィルムよりフィルムケースにある記憶

イメージ 1

◎川柳「フィルムより フィルムケースに ある記憶」



あったら便利なのに、身辺に見当たらなくなっているのが、
フィルムケースです。
こんな黒のより、半透明のやつの方が好きでしたが。

子供の頃、海で拾った小さな石ころや貝殻を入れたり、
姉妹などはボタンやビーズを種類別に入れたり、
いろんな活用方法がありました。

海外旅行の際なんて、使い勝手が良かったです。
両替も出来ないような少額貨幣は、
国境を越えるたびに財布からこのケースに移したものです。



一番強く記憶に残っているのは、蚊を閉じ込めてみた時のこと。

これも小学生の頃、私を刺したにっくき蚊が壁にとまってました。
血をたっぷりと吸いこんで動きは鈍くなってます。
それを叩きつぶす代わりに、フィルムケースの中に追い込んで、
蓋をし、監禁しちゃったのです。空気穴だけは開けて。

古い記憶なので、
数日後だったのか、数週間後だったのか定かでないけど、
しばらくして蚊が死んだようなので中を開けると、
小さな白い卵が二つ三つ死骸の横にありました。

自分で閉じ込めておいて何ですが、
その卵の美しさに生命の神秘を感じたように憶えています。

まあ孵っても困るから、すぐ処分しちゃいましたけど。