吉永みち子「気がつけば騎手の女房」

イメージ 1

'
ええっと、一応あこがれの女性なのでございます、吉永みち子サマ。

「一応」としたのは、
今でもコメンテーターとしてTVによく出られているそうだが、
そこでどのような傾向の発言をなされているか知らないからです。

あこがれてるというのは、
大部分がその外見からにじみ出ている雰囲気がいいなと思うから。
もうすぐ還暦のはずだけど、可愛らしいですものね。



さて、競馬関連の本ってのは売れないのが常識だそうです。

競馬ファンはあまり本を読まないし、
ファン以外の方が競馬本に手を伸ばすことはまず無いから。

でも本書はその例外中の例外。

ご自身の半生が素直な文章で綴られていて、
競馬への興味や知識がなくてもすんなり読めるのが本当にスゴイ。
興味がある人にとっては、さらに面白いってのもスゴイ。

実は私も読んだことが無かったのですが、
図書館の書庫にあることを偶然知ったので借りてきたのです。



いろいろと読みどころのある本ですけど、
やはり一番興味を感じたのは、
シービークインからミスターシービーへの血の流れが、
彼女の結婚と、生活の安定へという大きな困難を乗り越える際に、
奇跡を引き起こして二人に力を与えたように見える所です。

競馬ファンとしては、ミスターシービーが三冠を獲った時、
その女房と家族がどんな思いでいたかが分かり感銘しました。

三冠目の菊花賞で、一周目にはいつも通り最後方であったのを見て、


  これで負けたら一巻の終わりだなと思ったけれど、
  この一戦に騎手としての全生命を賭けて
  自らの信じたことを貫き通した夫の姿を見たら、
  急に肩から力が抜けて楽な気分になった。


と書いているが、いい文章だ。
そしてこの後、今でも語り継がれる淀の三コーナー坂でのドラマが起きる。
騎手である吉永正人と、女房のみち子には、当然のドラマであったんですねえ。

面白いなあ!