アリじごくに戻すしかないのかも

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開高健著「ずばり東京」を久々に読んだ。
図書館で見かけたもので。

東京オリンピック前の東京の様子のルポ集で、
どちらかと言うと、急速な発展の陰の部分に注目したものです。

で、「口八丁の紳士 -予想屋」という競馬の予想屋さんの章を、
実に興味深く再読させてもらった。

一人の若い予想屋さんが言った面白い事という部分です。


  どこの競馬場でも競輪場でもそうなっているそうである。
  入口が坂になっている。
  だから、入るときは速いが、出るときはおそい。
  のみこむときは速いが吐き出すときはおそいのだ。

  「・・・それはつまり、アリじごくということじゃないのかね?」
  
  私がたずねると、若い予想屋は、なにごとかをとつぜんさとったように、
  そうだ、そうだ、そうかも知れねえといいました。


入口が坂にねえ・・・

私がしょっちゅう出入りしている阪神競馬場だが、
現在は入口に坂はない。
駅から競馬場に向かっては下りだけど、
今は地下道が出来ちゃったので、坂を意識して歩く事は無かろう。
むしろ、私のように自転車で行く人間は、
駐輪場から階段を登って入口に到着する。

園田競馬場は・・・、微妙に坂があるような気がするなあ。
姫路競馬場は、全く坂はどなかったように思う。

淀の京都競馬場は、どうだったっけ?
傾斜があったような気はしないんだけど。

改装前の阪神競馬場もよく入ったのだが、
もう微妙な傾斜についての記憶が無いのは残念だ。


バブル以降、JRAの競馬場の多くは改装されて、
実に清潔で気持ちの良い空間になった。
その際に、入口の坂ってのも、無くしてしまった可能性はある。
最近の売り上げ不振の原因は、案外こんな点になるのやも知れぬ。

今年から、中京競馬場が改修されるけど、
もしまだ見直せるのなら、アリ地獄型を強化してみたらどうだろう?