違和感は古SFの煙い今

◎川柳「違和感は 古SFの 煙い今」



古いSFの未来小説・マンガには、
もう実際の時代が追い付いてしまったのがある。
かの鉄腕アトムだって、もう誕生日は過ぎているのだし。

ちょっと前、星新一ショートショートを読んでいると、
2030年が設定となっている一篇があった。
あと19年後である。

星新一という天才作家は、
出来るだけ話が古くならぬよう工夫を凝らしていて、
ほとんどの場合は成功しているのだが、
その作品には一つの小さな傷があった。

パーティーの席でのタバコのやり取りがあるんですねえ。
他人にタバコを一本どうぞと差しだす習慣は、
今でも絶滅寸前だと思うが、
近未来にはまずもう見られなくなると思う。

流石の天才も、ここまで分煙が進み、
嫌煙の世の中になるとは思わなかったのですね。
世の流れってのは、難しいものです。