またしても今季一番もうええわ

◎川柳「またしても 今季一番 もうええわ」



予報によると、週末は大荒れになるらしい。
競馬の開催が心配なのだけど、
センター試験の受験生のことを思うと文句は言えまい。

何故、入試って12月あたりに日程を変えられないのだろう?
インフルエンザも流行っていることだし。
公約にしたら、人気が出るような気がするんだけどな。

ところで、本ブログも古い。
過去に何を書いたのか、憶えてない内容が多いです。
私が、センター試験の前身である
共通一次を受けたの時の事は既に書いたような気もするのだが、
ざっと検索した限りでは出てきませんでした。
まあ、書いた本人が憶えていないのだから、
読まれた方で憶えている人もいないだろう。
てな訳で、改めて書く。


会場で、我が斜め前に気になる人が座っていたのです。

一人だけ、老けたようなオッサン顔。
老けていると言っても、20代後半だったのかなあ?
今も昔も他人の年齢を当てるのは苦手なので、
正確なところは分かりませんが、
5浪以上の苦労が寝ぐせ頭にまとわりついている感じ。

さあ試験開始。
問題用紙が配り終えられ、試験官の合図とともに、
表紙をめくる音が教室に響き、
それぞれ真剣に問題に立ち向かい始めました。

ところが、なのです。
先から気になっているオッサンは不動なのである。
斜め後ろからなので、よく見えはしなかったのだが、
精神を集中しているよう。

「なんだ、こいつは?」

私としては気になって仕方がない。
問題文を読みつつ、マークカードに書き込みつつ、
ちらちらと斜め前もチェックするのだが、なかなか動き出されない。

どれくらいの時間が経ったのだろう?
我が記憶では5分となっているが、
古いことなので正確ではあるまい。
とにかく試験中の長いようで短い時間が経った後、

「きぇっ!」

と、突然、教室内に奇声が響いた。
かのオッサンが、気合一発、ついに動き始めたのである。
周囲数人がびっくりした様子を見せる中、
オッサン顔はガタガタと大げさな音を立て、
貧乏ゆすりをしながら試験に突入して行かれた。

これが、私の笑いのツボにはまってしまったのです。
もちろん笑う訳にはいかないのだが、
噛み殺しながら問題に取り組むのは大変でした。
まあ、この件で、我が緊張が解けるという効果もありましたけどね。
感謝するべきだったのかな?


今現在のワタシは、妄想してしまうのである。
あのオッサンが、あれ以後も受験失敗を繰り返してたらどうしよう。
不運のカタマリのような風貌だったし。
50歳を超え、三十数浪という記録を引っ提げ、
明日もどこかの会場で「きぇっ!!」と叫んだらどうしよう。。。
周囲に座る最近のヤワな18歳は、動揺せず冷静でおれるだろうか?


ところで、私の共通一次の最大の記憶は、その後にある。

試験会場は神戸市長田区でした。
そう、つまり、後の震災で壊滅してしまった地域です。
私が試験を受けた建物も全壊(記憶違いの可能性もあるのだが)。
受験前日、会場へ下見に行った際、
ちょっと迷ってしまって駅の周囲をぐるぐる回りました。
震災後、何度も長田の被災地の様子がTVに映されましたが、
あのギャップは衝撃的で忘れられません。

そんな理由もあり、
他の受験についてはどんどん忘れて行っているのだが、
長田での記憶は全然薄れることなく残っております。

試験を終えて駅に戻った際の、
豚まんの記憶も断片として残っているのだけど、
食べた記憶だっけ? 食べたいなと思った記憶だったっけ??