和歌山にて

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◎雑句「攻められぬ ためのお城を 歩く汗」



和歌山市に行ってきました。
写真は和歌山城天守閣からの眺め。

ところで、ちょっとお聞きしたいのですが、
お城など和歌山市街へ観光へ行かれたご経験はおありですか?

和歌山県内だと、白浜などの温泉やビーチリゾート、
高野山熊野古道などの歴史遺産は、
数多くの人々をひきつけてやみません。

市内でも、中心部から離れているが、
ポルトヨーロッパというテーマパークがあり、それなりの集客がある。

しかし、和歌山市の町中というと、どうだろう?
考えてみれば、ここは徳川御三家の一つの城下町だったのだ。
将軍だって輩出している。
それなのに不思議なほど、観光のイメージが薄い。


理由を考えると、紀州徳川家の辛い側面が思い浮かぶ。
年貢が高く、民衆に強く恨まれていたらしい。
手持ちの資料が無いのでうろ覚えで申し訳ないが、
8公2民や9公1民ですらあったという。
(ちなみにお隣の奈良は、年貢が安かった事で知られる)
御三家としての高い格式を保つために、莫大な費用がかかったのだろう。

明治以降も長く、市民には江戸期を懐かしむ感情が無かったとか。
城以外に、武家社会の雰囲気を持つ建物や街並みが残っていれば、
もしくは忠実に再現された一画があれば、
歴史観光都市としての和歌山市もあっただろうに。

そんな事を思いながら、天守閣から町を見下ろした。
戦後の鉄筋コンクリート製であるが、江戸時代のものを再現しているし、
見える範囲はほぼ同じであるはずだ。

「これだけの範囲の農民から、壮絶な怨嗟の視線を日々浴びていたのか」

背筋がゾクっとしますね。
逆に考えると、金は無いのに格式は落とせぬとは、悲劇である。
同情するべきなのだろうかとも思いつつ、城を降りました。


そんな和歌山市へは、南海電鉄で行きました。
和歌山市駅周辺は、活気なく、シャッター街っぽかったです。
(JR和歌山駅周辺は、そうでもないらしい)

特筆すべきは、出会った方々の親切さ。
バスの運転手さん、切符売り場のお姉様、売店のお嬢様、バス停の女神様、
ご丁寧にどうも有り難うございました。助かりました。
気候は温暖だし、山や海の幸に恵まれたこの町が、
もっと全国的に注目されたらいいのにな、と思います。

「でもどうやって?」

寂れつつある地方都市の数だけ、この難題がのしかかります。
難しい。