足元を愛して明日へ手探りで

◎「足元を 愛して明日へ 手探りで」



近所の図書館へ行く。
立ち寄るコーナーはほぼ毎度決まっている。
郷土本の棚は、いつものお気に入りであります。
この棚の本を元にして、兵庫散歩もやっています。

興味深いのは、阪神淡路大震災後しばらくして落ち着いてから、
この地域の地理や歴史に関する良質な出版物が増えている点。
1997年以降くらいですね。

震災の実態や、復旧、ボランティア活動などに関して、
出版物が増えているのは当然。
でも、それと関係ない歴史や町歩き本も増えているのです。
シンポジウムなども多かったようですね。

真の辛さを体験した後に、
改めて地域に対する愛が湧いて来て、
それを再確認しようという流れが顕著にあったのでしょう。

偏愛の元に書かれた郷土史本は辟易するものだけど、
震災後に書かれたものは意外にも適度な冷静さがあって読みやすい。
郷土愛というのは感情ですからね。
その感情を理性的に抑えて伏流として話題を進めることで、
逆にゆるぎなき愛が伝わって来るような気がします。


次の日曜日が3・11。

神戸の震災の時とは、
出版業界の余力が全く違う一方で、ネットの普及は格段に進んでいます。

まだ一年だから、まだまだ早いとは思うのだけど、
地元からの発信という点で、
どのような新しい流れが起きるのでしょう。
いや、関西にいて気付かないだけで、もう本格発進してるのかな?