顔よりも心変えたらいいのにね

◎「顔よりも 心変えたら いいのにね」



オウムの事件について、私は得難い体験をしている。

先日書いたように、事件を知ったのは国外だった。
イスラム教の国である、東南アジアの。

事件後しばらくして、私はとある青年と会った。
将来の宗教指導者を目指すような大変真面目なムスリムである。
英字新聞のオウム特集記事を手にやって来た彼は、
「これについて教えてくれないか?」と言った。


全く、説明できませんでした。
語学力不足でもあり、理解不足でもあり、どうにもなりませんでした。
今でもちょっと、この事は心に引っ掛かっていて、
あの時の「俺って情けないな」との思いは消えません。

「クレイジーカルト教団が暴走したんだ」

くらいなら、誰でも言える。
でもそんなの自分の言葉じゃない。
自分の言葉で、国境も宗教も超える表現で、伝えるべき事がある。
しかしそれは、本当に本当に難しい。