藤子不二雄A「まんが道⑭」(中公文庫コミック版)



名作「まんが道」を、私は分厚い愛蔵版4冊で読んだ。
その愛蔵版には未収録の「春雷編」が、この第14巻に当たる。
つまり私にとっては未読の部分。

第13巻までで、
富山から東京に出てきた若き藤子不二雄の二人は、
やがて「トキワ荘」に入り、順調に仕事を増やすものの、
チョンボで出版社から干されてしまう。

この春雷編は、そこから再び、
二人が出版社や編集の人たちの信頼を勝ち取り、
人気マンガ家への道を歩みだす部分です。

連載誌の休刊により、中途半端に終わっているのが残念ですが、
二人の成功物語なので気持ちよく読むことができました。


ここでの彼らの唯一の連載が「ロケットくん」です。
検索すると、1956年(昭和31年)の連載開始。
月刊誌が別冊付録攻勢で競争する時代。
作者が基本、全て自力で描く。時間的・体力的に無理をしつつ。
二人の自分たちへのご褒美は、映画。

この数年後、1959年から、少年マンガが週刊誌時代に入る。
アシスタントを使っての分業制に変わっていき、
映画全盛からテレビ時代に。
そして、その先にテレビアニメが花開く・・・

そんな時代の大きなうねりの中で、
助け合い、時には競争しあって、
まんが道を邁進していく二人。

やっぱ、ええよなあ! うん、改めて素晴らしい作品だ。
読んでいて元気や勇気が湧いてくるもん。