丁字ヶ滝
昨晩、ニュースを聞いていると、
今朝はかなり冷え込むとの予報だった。
「六甲山系の滝が凍らないかな?」
と思ったが、そこまでの寒さでは無かったと思う。
でもやっぱり、滝を見に行くことにした。
夏に行こうと思っていたのだが、
蚊や蜘蛛の巣だらけだったのでやめていた滝へ。
宝塚駅から、ちょうど1キロくらい、徒歩15分の地点。
交通量もそれなりにある道から、
荒れた場所を約20メートル入ると、
こんな滝があるのです。
以下、地元民によるグダグダ考察です。
大正時代の宝塚市の観光案内には、
名所として「丁字ヶ滝」が出てくる。
しかし現在の宝塚市民で、この滝を知る人は少ないだろう。
私もつい最近まで存在を知らなかった。
大正時代には名所として宣伝されていて、
当時の絵はがきを見るとかなり整備もされているのに、
ほぼ完全に忘れられてしまったのはどうしたことか?
滝は残っているが、周囲が荒れ果ててしまったのは何故か?
想像するのです。
昔、温泉地に長く滞在すると、さぞ退屈だったろう。
美味なる物を食べ、酒を飲み、湯につかり、ゴロゴロするだけ。
身体もなまるはずだ。
宿の人に、「ヒマつぶし行く所ない?」と聞きもするだろう。
この丁字ヶ滝は、そんな宝塚温泉から1キロくらいの距離。
下駄でカランコロンと腹ごなしに往復するのにちょうど良い。
正直、わざわざ見に行く価値があるとは思えない。
でも退屈している温泉宿の客なら・・・
そんな名所だったのではないか?
宝塚温泉は、この後に大きく変化をする。
そう少女歌劇が始まり、大人気となって行くのだ。
今、宝塚歌劇を温泉と結び付ける人は少ないだろうが、
そもそもは温泉客を退屈させないために始まったのだ。
ってことは、この丁字ヶ滝は、
タカラジェンヌたちに食われて衰退したということかなあ?
そんな事を考えつつ、滝から帰ってきました。