登るほど時代遅れの森がある


◎「今日は山 燃え尽きるのは 明日以降」

◎「名無き橋 小さなドラマが 渡ってく」

◎「登るほど 時代遅れの 森がある」

◎「見晴らせば 既登の山が 笑んでいる」

◎「氷河期の 森を想いて 良き眠り」



日本人って、「ブナ」が好きなのだなと思う。

北日本の森林に関わって、
見飽きておられる方々の印象は知らないが、
都会で暮らす人間にとっては憧れの対象なのだ。

六甲山の紅葉谷にブナが多く残っている地帯があるが、
一昨年だったか、そこを通りがかったら、
おばちゃんが主の自然観察会らしきものが行われていて、
彼女たちが目を輝かせてブナの大木を見上げていた。

ワタシも大好きですよ、もちろん。

ただ残念ながら、
我が阪神地域ではそれなりの標高がないと見つからない。

この辺りだと、氷河期の生き残りが、
山の上に孤島的に存在するだけ。
次世代が育っていない森も多いそうだから、
気候が寒冷化に進まない限り、
数百年後には見られなくなるのだろう。

ブナの木はそんな存在であるから、
余計に近畿地方では人気があるような気がする。
(近畿でも北部に行けば、いくらでもあるけど)

山のガイドブックなどには、
ブナの森の情報は結構載っていて便利なのです。


さて、先週、六甲山の高所で色づいている木を見ました。
離れていたので、何の木だか分らなかったのですが、
多分、「シラキ」だろうと思います。

でも私、このシラキの紅葉をちゃんと見た記憶がありません。
チャンスを逃すと来年まで待たなくてはならなくなるし、
何とか間近で見る事は出来ないだろうか?

植物園以外で、シラキを確実に見られる場所・・・

そんな情報はなかなか見つからないのですが、
どうやら「ブナ-シラキ群落」という言葉があるそうです。
つまり、ブナ林を目指して行けば、
シラキに出会える可能性が高い。

ありがたいなあ、ブナ林!
てな訳で、次はブナ林を目指して歩きます。

「ブナの次世代を育てるために」とか言って、
下層植生を伐り払っている
なんて事が無ければ良いのですが・・・



ところで、ブナ林の情報を眺めていると、
久々に「ミズナラ」も見てみたくなりました。
これも北の方では当たり前の木ですが、
我が近辺ではそれなりの標高に行かねばなりません。

六甲山にもあるらしいのですが、
ピンポイントで教えてくれる情報は見つかりませんねえ。

ミズナラの巨木には、王者の風格があります。
ブナと同じくらい、
わざわざ見に行く価値があると思うんですけど、
何故だか知名度不足のようだ。残念ながら。