もぐらさんの漫画三冊(読書覚書)








昨年の夏ごろ、もぐら「花のお江戸ぐらし」を読み、
結構気に入りました。
そこで彼女の本領の方の県民性テーマ三冊を、
年末から年始にかけて読ませていただきました。


「県民性マンガ」は、もう4巻まで出ています。
私が読んだのは1巻のみだったこともあり、
楽しみはしたけれど、
一つ一つの県に関しての薄さがちょっと気になったかな。
でもこれは仕方ないでしょう。

四コマが主体ですが、
本州四国連絡橋阪神淡路大震災についての中編もあります。
これにかなり驚かされ感心もしました。
もぐらさんは四国愛媛の方です。
四国から見た神戸の姿を、
兵庫県民の私は考えた事が無かった。
近くにいると見えてない面があるんだなあ。


「トコトコ関西」「トコトコ四国」は、
旅行ガイドであり、旅行先の人々の気質本でもあり。

有名観光地に行くのと、
その土地土地の気質を考察するのは、
かなり別次元の感があります。

ただ常に人間観察を頭に置いて観光する事で、
いろんな点に気付くんだなあと感心させられました。
旅の一つの楽しみとして、十分成立しています。
彼女の考察の底流に違いに対する敬意や愛情が感じられるから、
好感度も非常に高いです。

もちろん、短期間の旅行で十分ではなかろうし、
「関西」を関西人が読むと微細なツッコミ所は多々あります。
純化しすぎていて乱暴だとも思います。
しかし、それが本マンガの「欠点」に思えないのは、
もぐらさんの力量のなせる技なのでしょう。


すべて星4つ。☆☆☆☆