群馬直美の木の葉と木の実の美術館





昨年末、こんな読書書庫の記事を書きました。

今回、改めて群馬直美さんの本を借りました。
何故だかわからんが、やっぱり胸が震えるのである。
単なる葉や実の絵なのに。


葉っぱの精神---
この世の中のひとつひとつのものは
すべて同じ価値があり光り輝く存在である


枯れてしわしわになったケヤキ
虫に食われてボロボロになったサンゴジュやイタドリ、
いびつだったり穴があいたりのドングリたち、
(植物ではないが)セミの羽・・・

不完全なものばかりではない。
柿の実、スダジイの葉と実、ヒマラヤスギ、ミズキ、
ケヤキの色のグラデーションなどなど

ほんと、どれも光り輝いている。

葉や実は、図鑑のイラストでもよく描かれている。
しかし、そこで描かれているのは、葉や実の「典型」だ。

彼女の作品では、
それぞれがこの世で唯一無二の個性ある存在になっている。
愛おしさを感じる対象になるような。

前回と同じ感想で申し訳ないのだが、
見慣れた植物にこんな新しい発見があるとは驚きであり、
自分を恥じるというよりも、
群馬さんの眼と画力に脱帽するのみ。

しみじみとため息をついております。
素晴らしい世界だ。

星5つ。☆☆☆☆☆