森林や植物に関して、やっと通史が見えてきたか(読書雑記)






昨年来、古墳時代の本や縄文時代の本を何冊か読んだ。

その中間の弥生時代は飛ばして来たのだが、
中学時代以来、この時代について学ばせてもらった。

当時、教科書で学んだ弥生時代の姿を、
幾つもの面でひっくり返してくれるのが本書である。
「炭素14年代測定法」により。

反論もあるようだが、
個人的には「これで腑に落ちた」という感じ。
縄文時代について学び、
近世までの山村の生活について本を読むと、
「なかなか広まらなかった水田稲作」という説明に、
やっぱりそうかと納得した。

漠然とではあるが、
縄文から現代まで、我が脳中で歴史が繋がったように思える。

それをここで自分の言葉で上手に表現するのは難しいが、
一つの財産を頂いたような気がしています。
感謝です。

星四つ。☆☆☆☆





数多くの植物について、
日本人がどう付き合ってきたか、の記録である。

非常に面白いのだが、
読み物でもなし、事典でもなし、の中途半端さは気になる。

対象とする地域も、ある程度限定的なのだが、
日本全体の一般論的な書かれ方をされてるのも、
どうだろう?

星三つ。☆☆☆





森林利用に関する本には、数多く引用されている本書。
1982年の出版である。

実際、非常に丁寧に記述されており、
トチやナラの実の利用の重要性について、
当時の雰囲気も含め、よく分かる貴重な内容となっている。
栄養面も含めて定量的で、
技術的にも詳細な研究結果であり、有り難い。

星四つ。☆☆☆☆