初見健一「70年代小学生歳時記:ぼくらの年中行事 春・夏・秋・冬」






1970年代の東京の小学生、
著者本人の生活が描かれています。

私より、数年お兄さんにはなりますが、
ほぼ同年代と言って良いので、
「懐かしいな」と読ませてもらいました。

まあ私としては、20数年前に読んだ、
ちびまる子ちゃん」第一巻の感激がとても大きく、
以降の70年代の子供物は
二番煎じに見えてしまうのですが、
それでも新発見はあるし、
読む価値はありましたよ。

星4つ。☆☆☆☆


ちびまる子ちゃん」でもそうですが、
私の小学校時代の記憶で一番強いのは、
「かったるかった!」です。

本書でも、運動会や卒業式の予行演習、
夏休みの朝のラジオ体操などなど、
かったるさの定番が描かれていて、
記憶が甦ってきます。

教師や親などの大人が、
子供に押し付けてくる
訳のわからぬ行事やルールに対して、
「なんでだ?」「かったるい!」と思い続けた事が、
子供時代の記憶の大部分でありますから。


本書の著者と私との違いというと、
私には兄弟がいたこと、
転校を何度か経験していること、
著者は東京の都心の子なのに対し、
私は郊外の団地住まいが多かったこと。

だから、東京の子だからこその経験の部分は、
とても新鮮に読ませてもらいました。

「河童のバッジ」が、妙に羨ましかったり、
避難訓練でドジョウを撒くとか
不思議極まりなかったり。


ま、難しいことは考えず、
いろいろ自分の記憶を掘り返しながら
楽しめる一冊でした。
結構オススメです。
世代か、地域か、
どちらかが重なっている方には特に。