まだまだ読書運の好調が続く







1995年4月に出版された本。
ちょうど神戸の震災忌の日前後に私は読んだが、
その震災やオウム事件の頃のものでした。

宮崎県椎葉村で、
伝統的な焼き畑をされている方が、
日々の暮らしの中で、
植物とどう付き合っているか、の記録である。

とても豊富な知識と、
共に暮らす植物への愛情が溢れた一冊。

震災忌が来ると、
「語り継ぐことの大切さ」が語られるが、
この様な植物分化も是非語り継がねばならぬものです。
古より日本人が培ってきた知恵の宝庫ですから。

図書館の書庫に埋もれてしまって良い本ではないし、
何とかもっと内容が知られるようにならんかな。

新聞連載の短い文章の数年分をまとめたもので、
読みやすいし、
方言そのものの語り口にも心温められました。



以下の二冊は、またまた「フィールドの生物学」シリーズ。
もうこのシリーズは全冊制覇するつもり。
近所の図書館にあれば、だけど。

邪道だろうけど、
細かいデータは読み飛ばして
全体のストーリーを追うのみだから、
結構すいすいと読書がはかどります。





これも面白かったなあ!

研究者としての出だしは、
頓珍漢だったり、空回りだったりを続けるのだが、
歯車がかみ合ってからの成長が凄い。

子供の頃からの水系生物好きという蓄積と、
大人になってからも尽きることのない情熱が、
身近な自然の姿を次々と明らかにして行ってくれる。

カマツカの自然史、シマドジョウの分類、
水生昆虫の話題、
どれも私の良く知らない世界なのですが、
彼の様な人物が取り組んでくれていることは、
頼もしいの一言です。





上記本の中島さんが、
研究の世界においては五里霧中から出発したのに対し、
本著者はいきなり素晴らしく興味をひかれる仮説を思い付く。

本書は、その仮説を立証していく物語。
一本道では進んで行けてない所も面白いですし、
夜のフィールドを注意深く歩きながら、
いろいろと考える著者の姿も一読の価値がある。



このシリーズ、どれも本当に面白いですが、
成功している若い研究者といっても、
いろんな個性がそれぞれにあって、
いろんな苦悩ももちろんあって、
飽きさせません。

私のようなオッサンが読むのも勿論良いのだが、
高校生や大学の学部生に手にして欲しいものばかり。

さあ、次はどれを読もうかな!?