盛口満「雑草が面白い」







私にとって、盛口先生の本はどれも面白く、
こんな方が日本にいて下さって天に感謝しております。

本書も、とっても為になりました。

中でも、阪本寧男先生の論文から書かれている部分は
盛口氏も書かれている通り目からウロコでありました。


雑草とはなんだったか。

それは、
人間が作り出した環境に勝手に生育する植物のことだった。

人間が狩猟採集生活から定住生活に移行したとき、
その住居付近の環境は自然のままの環境とは変化した。

木は切り倒されて周囲が明るくなり、
また人間の出す排出物で、
土壌は栄養化した。

そのような場所を目ざとく見つけて
移り住んできた植物たちがいる。

それが雑草だ。

その雑草のなかから、
人間が有用なものを見出し、
手を入れて育てるようになった。

それが作物である。


おもしれぇ~!

本当は、紹介すべき読みどころはまだまだあるのだが、
私個人的にはこれでノックアウト。
ただただひれ伏すのみです。
阪本先生の本も、いつか読んでみよう。

本書のお陰で、
我が雑草を見る目も完全に変わりました。
普段口にしている野菜や穀物への認識も。

植物に対するますますの好奇心と、
それを利用してきた人間の歴史への畏敬の念と、
知らねばならぬ事柄の何と多い事か!