脳がまだ成長するから生きてたい



◎「脳がまだ 成長するから 生きてたい」


基本的に、大人になりゃ、
脳の機能は下降線なのだろう。
実感としても、そうだ。

でも、「365歩のマーチ」の逆で、
3歩下がって、2歩進む、
という感じで下降している気がする。

その進む2歩が、面白い。

いずれ、5歩下がって、1歩進むになるかもしれないし、
10歩下がって、0.1歩進むだけになるのかも。
でもそれでも、進む分に意義があると思いたい。


先の、神奈川県での悲しい事件を受けて、
生きる意義というのを考えてしまう。

重度の知的障碍者に生きる意味はあるのか?

これまでほとんど考えてことがなかった。

自分が生きる意味も、
相当考えないと分からないような人間だから、
他人のことは後回しにするしかないし。

でもきっと、彼らの脳内でも、
日々、何かが起こっているはずだ。
鈍感な人間は、そばにいても気づかないだけで、
ほんのちょっとの成長はきっとあるのではないか?

窓から入って来る柔らかい日差しや、
世話をしてくれる人の手の感触や、
家族がかけてくれる声などに反応するとか、
古い記憶が急に甦って来て瞼の裏に映る瞬間とか。

私の想像力では、どんな成長なのか分からないけど、
他人が勝手に奪ってはならない事が起こっていて、
きっとそこに生きる意味のあるじゃないか、と。


事件後、精一杯考えて、
私にはこの程度しか書けない。
でもこれでも、一つの成長なのだと思ってはいる。