ひっつき虫




日曜日、ちょっと山道をそれて歩いたら、
靴から靴下からズボンから、

チヂミザサの引っ付き虫が一面に!


面倒だなと思いつつ、
山道の広い場所に戻り、
しゃがみ込んでネバネバの実を取っていると、
中越しに「大丈夫ですか?」と声を掛けられました。

こちらとしては、引っ付き虫を取ってるだけだから、
「大丈夫です」と答えました。

一体、何を心配されたのだろう?

もしかしたら、
足が痛いとか、気分が悪いとかで、
うずくまっている状態に見えたのかも知れません。
後ろから声がかかりましたから。

要らぬ心配をかけちゃったのだとしたら、
申し訳ないなと思った次第です。


で、思ったのです。

やはり、引っ付き虫を取っている自分の姿って、
他人から見てかっこ悪いだろうな、と。

アウトドア雑誌などでモデルをやっている兄ちゃん達なら、
もっとスマートに取るんじゃないか、と。

古い西部劇の役者さんたちって、
全てのしぐさが渋かった。
タバコを吸う、酒を飲む、銃を構える、女性を口説く・・・
きっと引っ付き虫も渋く取るのだろう。
ハンフリー・ボガードの出演作品に、
そんなシーンはないのだろうか?
あったら、参考にしたいのだが。

華道や、茶道の師匠たちなら、
引っ付き虫も優雅に取るのでは?


落語に、「あくび指南」というのがある。
あくびを教えるという奇想天外な話である。

ワタシも、いろんな人のやり方を参考にして
精進に精進を重ねたら、
そのうち第一人者になって、
「引っ付き虫道指南」とか出来るようにならないか、
それでYoutuberの仲間入りを目指せないか、
などと下らぬ事を考えました。

何しろ、馬券がすべて外れた直後でしたから。