シンジュ(ニワウルシ)
中国から、明治初期に日本にやってきたという、
シンジュ(ニワウルシ)の木。
住宅地の崖の斜面に生えていたり、
道端にあったり、
農地と森の境目にあったり、
神出鬼没の木というイメージが私にはあります。
神出鬼没のイメージがある木と言えば、
エノキ、ムクノキ、センダンのように、
鳥が種を運んで広げているのが多いと思うんです。
鳥なら、キロ単位で、種を拡散させられます。
しかし、シンジュの種子を運ぶのは風。
翼が付いているとは言え、
風任せでそんなに広まるんだろうか?
アカマツの種子も風散布だけど、
シンジュよりもずいぶん軽いから、
まあまあな距離を飛ぶのは分かるんだ。
イロハモミジの種子も風散布。
ほとんどが樹下にそのまま落ちているように見えます。
シンジュの種子は、それより大きいからなあ。
科学実験データベースという所に、
こんな動画がありました。
「自然ってスゴイ!」としか言いようがない。
PPAPや、マネキン・チャレンジの動画より
私は見入ってしまいました。
しかし、これを見ても、
本当に風任せでこれほど広まるのってのが、
まだちょっと不思議。
シンジュの種子が熟すのは今の時期。
動画は無風状態のものだが、
先日のような木枯らしの強風に乗れば
鳥が運ぶのと同じくらいの距離が出るんでしょうか?
そして、秋以降の強風というと、やはり北風。
北の母樹から南には拡散するけど、
南から北へは、どう広まるんだろう?
また、シンジュは陽樹なのだろう。
日当たりの良い空き地や、南向き斜面でよく見る。
北風に乗って広まるのなら、
南向き斜面には辿り着きにくいのでは?
そんないろんな事を考えさせられる木なのであります。