武玉川「水の見廻の提て来る水」
最近、どうも川柳の方がうまくできない。
そんな時はちょっと原点に返ってみる。
何度か書いているが、
私にとっての川柳の原点は、
江戸の古川柳や、
「武玉川」の世界にあります。
高校時代に読んだ武玉川の解説本をめくると、
「水の見廻(みまい)の 提て来る水」
という七七の短句に目が留まった。
水害の見舞いに、
新鮮な水を持って来た、という一句。
先の西日本の大水害の状況そのままですね。
昨日だったか、やっと水道が復旧したという町の
ニュース動画を見たところなので、
余計にこの句に魅かれました。
この句を作った方がどう思ってたか知らないけど、
勝手に句が時代を超えてしまう事がある。
それも、川柳の魅力の一つ。
私も肩の力を抜いて、
自分にできる句をたくさん作ってみて、
その内の一つでも時代を超えてくれたらって思うんだが・・・
ちなみに、武玉川には、こんな句もあります。
「水跡の 干物毎に 赤とんぼ」
水害で、衣服やら家財道具やらが濡れてしまい、
庭とかで干していると、
そこに赤とんぼがやってきて止まっている、という意味。
秋の水害でしょうね。
現代以上に、水害が当たり前にあった時代だからこその
視点を感じます。